日曜日, 7月 27, 2008

単純ではない世の中 ムペンバ 乳房自己検診 蚊対策

世の中は単純ではない 直感に反することが色々と実証され興味深い。

ためしてガッテンでご覧になった方もいるかもしれませんが、
ムペンバ効果 というタンザニアの当時高校生だったムペンバ氏(現在FAOで働いているそうです)
が温度がある程度高い液体の方が逆説的に速く凍ることもあることを発見したが、完全には解明されていないようです。

水のおもしろ実験「お湯が先に凍る?」|「安全でおいしい水プロジェクト」オフィシャルサイト

を見るとある程度は説明できそうですが、底の浅い容器で実験しても効果が見られたとyoutubeで実験を披露している方もいらっしゃるようです。

乳癌の自己検診または視触診によって乳癌の生存率は改善せず、良性腫瘤の生検が増加 Breast Self-Exam Gets Thumbs Down in Systematic Review
以前から同様の懸念はありましたが、データをまとめて同じ結果となりさらに自己検診は薦められないということです。小生にとっては不思議ではないのですが、直感に反すると感じる人も多いのではと記録しておきます。

蚊の駆除で重症者が増加? デング熱、意外な研究結果
では「絶えず蚊に刺されていると免疫が高い状態で維持されるが、刺される間隔が空くと危険なタイプの再感染が起きやすくなる」ことなどがかんがえられているそうです。

「直感に反する」を英語ではcontraintuitiveと表現するとおもいますが、
contraintuitive.com
というサイトもあります。自然科学・社会科学で「(多くの人の)直感に反する事象」を今後も取り上げてまとめサイト(本)を作りたいですね・・・

日曜日, 7月 13, 2008

新手?の寿司売り詐欺に騙された!

昨日大変悔しいことにコロッと騙されました。

昼前もう少しで当直明けの仕事も終わるというところで(判断力の低下と気の緩みがあったかもしれません)、病棟の医師控室で医師らがざわざわしてい るので近寄ると寿司屋(姿だけかも?)のおやじが段ボール箱抱えて「うちの馬鹿ムスコが3つの注文なのに折り詰めを30個も作りやがって、土曜日だし困っ ている」と息子に怒ってかつあせっているのです。

小生は「我々医師の誰かが3つ注文したのであればそれは悪いから買ってあげなければ」
と思い980円のものを500円で二つ購入しました・・・息子に持って帰れば喜ぶかと思って。

気のいい小児科医達は合計10個以上の寿司を購入、、、おやじはいつの間にか去り・・・

もともとの3個の注文は誰もしていないということが分かり、一人が包みをあけたところ巻きずし4本しかもと魚は一本で残りはかっぱ、たくあん、かんぴょうで500 円しないようなものでした。包み紙や箸袋をみても店の名前も連絡先もなし、下の階の外科病棟でも同様に騙されていたことに気付いた時には後の祭りおやじは 忽然と消えていました。

帝銀事件みたいに寿司に毒物含まれているテロの可能性もあり冷静に考えると全員が食べずに捨ててもいいぐらいなのでしょうが、大部分の人が食べて今のところ何もないようです。

私は騙されたことが悔しくて食べれませんでしたが、愚息が我慢できずに魚の巻物を1本食べてあとはゴミ箱に行きました・・・1000円の授業料を払わされたと反省します。

病院の危機管理の問題点として見舞いや出前もあるので、ある程度出入りがルースなことはしかたないとも言えないのかなぁ・・・病院の管理部や警察には届けた方がいいのでしょうか?

いつ食べられるかわからない仕事なので、寿司はあまり注文しないのですが、だからたまには食べるかという気持ちもあったり、「自分自身が馬鹿息 子」なのでおやじの馬鹿息子(いるかどうか?)を助けてあげたいという心理につけ込まれたのか・・・ともかく巧妙で同じ手口で全国の病院その他を回っているかと思うと本当に悔しいで す。

おやじがCon artistとしたら我々は彼の作品の一部?
Confidence trickやCon artists一覧はこちら
http://en.wikipedia.org/wiki/Confidence_trick

土曜日, 7月 05, 2008

アトピー性皮膚炎の先取り治療(proactive treatment)

Proactive treatment of atopic dermatitis in adults with 0.1% tacrolimus ointment.

によると週に2回タクロリムス(日本ではプロトピック)の外用を先取り治療(というか予防)で外用しているとflare up(アトピー性皮膚炎の急な悪化)が劇的に抑えられ偽薬だと15日で悪化していたのが、週二回先取り治療していると142日間が開く(P<0.001)ということです。

ステロイドの外用薬でもproactive(悪くなる前に外用) vs. reactive(悪くなってから外用)と意見が分かれているようですが、ステロイドの副作用を恐れすぎてかなり酷くなってからのみステロイド外用を繰り返していると結局いつまでもたってもコントロールができないという形になるので、proactiveに週に1-2回ステロイドを外用するとflare upなしで過ごせ、そのうちさらに肌の防御が良くなってきて保湿剤だけでよくなることが多いようです。

proactive というキーワードで文献検索しても あまり文献は出てこないので、これからのテーマなのでしょう。普通に検索するとニキビ治療薬がヒットしますが、いい名前をつけたなぁ・・・と言う感じです。