水曜日, 12月 31, 2008

2008年10大医学ニュース

といっても小児やアレルギーや予防に偏った私にとっての10大ニュースですが、、

10.rushSOTI(神奈川こどもアレルギー科)
小学生になっても卵でアナフィラキシーを起こしていた子供6人が1週間の入院での経口寛容導入で大きな副反応なく卵一個食べれるようになる?!今後の展開に期待!!!

9.健康な男性がセレン(セレニウム)とビタミンEを摂取しても、前立腺癌やその他の癌の予防には役立たない(JAMA12月9日)
このようなネガティブスタディーは重要。予防によさそうに思えると実際に予防効果があるのかの差は大きい

8.空気を汚さない暖房で喘息が改善(BMJ)
費用対効果はよくないかもしれませんが、ちゃんとRCTで空気の質の重要性を示しました。薬物でない治療方法の重要性のRCTはこれからも注目。

7.真菌に対するアレルギーのある喘息患者で抗真菌薬のイトラコナゾールの内服が著効する?
http://www.reuters.com/article/healthNews/idUSTRE4BS4RU20081229?feedType=RSS&feedName=healthNews
うそかもしれませんが、重症喘息のなかで真菌のRASTでている人の一部には著効するそうな、、、ためしてみてもいいかも。アレルギーの分野は日進月歩。

6.「見かけがいい(アトピー)肌にも外用」が新しいパラダイム(Pediatrics. 2008 Nov 17)
成育医療センターアレルギー科で行っている状態がよさそうに見えるアトピー肌にも予防的にステロイド外用や免疫調整剤外用をすると結局急性増悪(flare up)がへり全体のステロイドなどがへらせるという論文。パラダイムシフトです。

5.プロバイオティックス アレルギーにあまり効果ないかも・・・詳細忘れました・・・
まだまだわかりません・・・
あとダニ対策が喘息対策としては高密度カバーも殺ダニ剤もメタ分析では効果なしとのレビューもありました。

4.アセトアミノフェンが喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎などの30%を説明するかも(The Lancet 2008; 372:1039-1048)
International Study of Asthma and Allergies in Childhoodの大規模データで様々な国や地域で1歳までのアセトアミノフェンの内服量や過去1年の内服量が6-7歳の喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎症状と用量反応ありで関係 この研究では因果は分からないが、発熱に対するイブプロフェンとアセトアミノフェンのRCTでイブプロフェンの方が喘息少なかった研究もあるそうで、アセトアミノフェンを処方しにくくなる時代がくるかも・・・

3.サマータイムの始まりの睡眠不足で心筋梗塞リスクが5%上昇(NEJM)
単純なデータでしっかりものが言えている見事なレター
睡眠時間長ければ、冠動脈石灰化少ない (JAMA)
http://intmed.exblog.jp/7760498/
という論文も12月にでて、大人も子供も睡眠は重要!!!

2.リンパ節への3回の注射で花粉症を克服(PNAS)
リンパ節へのがん免疫療法というのが少しあるようですが、3年かかる皮下注射の減感作療法の代わりに1カ月おきに3回でいいのであれば「克服」というのも嘘ではないです。自分で一番やってみたい治療法です。

1.iPS細胞がらみ (サイエンスなど)
アレルギー学会で山中先生の講演を聴けたのはとてもラッキーでした。幹細胞がまずは様々な難病の病態の理解に役に立つということがわかりました。